弁護士に管理してもらうかどうか
任意整理で和解が成立した後、和解金(返済)の送金はどのように行うのでしょうか?
2つのやり方があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
和解金の2つの送金方法
弁護士の口座に振り込んで債権者に送金してもらう方法と、債務差が自分で債権者に送金する方法があります。
弁護士の側からみれば、自分を介して行うのは手間もコストもかかります。
送金手数料の負担をどうするかだけでなく、管理に人員を割かれるのが大きいです。
預り金の銀行口座も用意しなければなりません。
一括返済の場合は問題ないですが、3年〜5年といった長期にわたる返済の場合は特に負担が大きくなります。
これを嫌い、和解契約書を交わしたらそこで仕事は終わりとする先生も多いです。
しかし、その一方で「更生を最後まで見届けないと仕事をしたことにならない」というこだわりがあって、あえて返済を管理しようとする先生もいます。
弁護士に監督してもらうメリット・デメリット
弁護士に監督してもらうことで約束を守れる、頑張りやすいという人もいます。
任意整理してくれた弁護士に信頼感を持っているなら、時々電話で話せる関係が続けられると、モチベーションも維持しやすいかもしれません。
逆に先生に負担をかけ続けるのが申し訳ない、自分が子供のようで情けない、と思う人もいるでしょう。
そういう人は自分で管理させてもらえるようにしたらいいと思います。
弁護士に監督してもらう場合に多いトラブルは、弁護士に対して甘えが出てくることです。
お金がない時に弁護士に立て替えを求める人が非常に多いらしい。
「今回、先生が代わりに入金しておいてくださいよ。こちらもすぐに入金しますから。」というわけです。
弁護士事務所は普通応じませんが、こんな要求に応対して債務者を叱咤しなければならないだけで大迷惑です。
実際に返済が遅れれば、債権者の苦情にも弁護士が対応しなければならなくなります。
もし、弁護士の監督をお願いする時は、この種の迷惑だけは絶対かけないようにすべきです。
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