債務者が簡易裁判所に申し立てる方法
債務整理の方法のひとつである「特定調停」について説明します。
手続きの仕方
特定調停は、債務者が簡易裁判所に申し立てて行います。
簡易裁判所は債権者と債務者の仲裁に入り、債務者が返済条件の緩和を受け入れるよう、働きかけます。
「もう今の条件では返済は無理です。簡易裁判所さん、債権者に現実的な案を受け入れるよう勧告してください。」というわけです。
ほかの債務整理方法は、弁護士や司法書士にお願いするのが普通です。
債務の処理法
これは任意整理に似ています。
まず、利息制限法の上限金利による利息引き直し計算をします。
過払い金があれば、残債からマイナスします。
これだけで完済となり、問題が解決してしまう可能性もあります。
次に過払い金を引いた残りの元本を、3年程度で分割返済する計画を立てます。
債務者の収入と照らして計画に現実性があり、債権者がOKすれば調停成立です。
過払い金を引き、今後の利息をカットすれば現実的に返せそうな計画が組めなければそもそも話にならないことは頭に入れておきましょう。
特定調停のメリット
弁護士・司法書士に任意整理を頼むより費用が安いことがメリットでしょう。
特定調停の費用
(申立手数料500円+手続費用420円)×業者数
【収入印紙】 【予納郵便切手】
調停成立後の効果は任意整理と同様です。
特定調停のデメリット
時間がかかることです。
申立てから調停成立まで2カ月はかかり、その間は取り立ても止まらないし、遅延利息もかかってきます。
法律家が任意整理を受任すると速やかに取り立てが止まるのと対照的です。
強制力はないので、調停が成立する保証はありません。
また、簡易裁判所に2回足を運ぶ必要があります。
申立ての時と、債権者と話をする時です。
特定調停に向く人
任意整理は法律家が債権者と交渉するのでおまかせです。
特定調停は、簡易裁判所に間に入ってもらいながら、債務者が債権者と向き合って返済方法を調整します。
もちろん、法律の素人でも進められるよう、調停委員がしっかりサポートはしてくれます。
しかし、必ず調停は成立すると確信して調停成立までの2カ月を耐え抜ける人でないと、厳しい面もあると思います。